黄金週間お針出来れば楽しからむ

中学の家庭科で最初に縫ったのはパジャマだった。 前の年までは浴衣だったと聞いて残念に思った。今も残念だ。 浴衣も着物も一反の生地を、法則通りに断って縫えば出来るもののようである。 その法則を知りたかった。1+1=2というように縫物が出来るのよ…

文旦の絮のふとんで寝てみたし  

友人が文旦を送ってくれた。 皮を剝くとパーッと良い匂いが広がる。剥いた皮が実より多いのでもったいないと思う。箱に入っていたチラシにマーマレイドの作り方が載っている。「皮を細かく刻み軟らかくなるまで煮て、皮の重さの1.5倍の砂糖を加え気長に煮る…

パッションフルーツ南風から贈り物

暖冬だったせいか、時計草の葉っぱが越冬してしまい、春だから整理しようと重い腰をあげたら、たどんみたいなものがぶら下がっている。正しくパッションフルーツが実っているのだ。 あの変な花が好きで植えているが実がなったのは初めて。あー、驚いた。 味…

月末が月初になだれ込み朧

昨日、届けの変更のために、予約して銀行の窓口に行き、それはネットでやれと言われてカンカンになって帰ってきた。だってきちんと説明してその旨をメールにも書き、向こうが、それは通帳と印鑑を持って店頭に来いと言ったのだ。前の日にATMでお金が引き出せ…

側近はすでに死語なる令和かな

政治家の皆様の最近の行状と発言を見聞きしていると、周りに止める人がいないのかな〜と不思議に思う。「松の廊下」「勧進帳」、芝居観て勉強した方がいい。 というか、誰も止められないほど「裸の王様」なのか、止める気もなく自滅を待つばかりなのか。何れ…

雨やんで鬼に逢うため酒を買う

朝、起きたら雨だった。 ベランダに置いてある下駄がびしょびしょになっていた。 久しぶりのまとまった雨。すこし重くなっている空気を胸いっぱい吸い込む。 今日は節分、明日は立春。毎年この順番だったって知らなかった。この年になるまで 意識していなか…

蓋をして瑞穂の国は冬ざれる

広島県が全県民PCR検査を実施することにしたら、陽性者がドンと出て収容する場所がないから止めるべきだという意見が出たそうである。陽性と判明しても自宅待機の人が大勢いるのが現実なのに、何を言っているのだろう。見ぬもの清し、と思いたいのだろうか。…

脱ぎ捨てた服はどれだけ冬木立

朝、クロゼットを開けて服をひっぱりだしながら人類はものを作りすぎたのじゃないかと思う。最近はあまり買い物をしないが、20代以降どんだけ服を買っただろう。昔見たアメリカ映画で、主人公の女性のクロゼットが10畳くらいあってズラリと洋服がかかっ…

豪雪国道閉鎖経済は回す

先週関越で立ち往生したのに、なぜ高速の入り口で車を止めないのか。 これは、コロナでも経済を回すというのと酷似しているのではないかな。 なんだかわかんないけど、行ってしまえ、というのは私の中にもしっかりある感情で、 良く言えば、走りながら考える…

なまはげに占拠されたる議会かな

新年早々、アメリカの議会が暴徒に占拠されたのを見る羽目になった。 大勢が壁をよじ登っているのを見てフランス革命のようだと思った。 暴徒化すると引き返せないのだ。 議場を占拠したのはシャロンテート事件を思い出させるおぞましい風体の輩である。 な…

駅伝は新年の季語になってるか

初詣も新年会もないお正月。 3が日、ぼーっと駅伝を流していた。 子供の頃に実業団駅伝って見た覚えがないけど65年もやっているのだ。 見る度に、なんで高崎と思う。 箱根は都会から山登り、途中海も見えて新年にふさわしく目出度さがある。 高崎に決まった…

二日かなおせちのマンネリいかにせむ

元旦の夜、テレビでコンビニ3社の一押し食品を、専門家が試食してジャッジするという番組を見た。どれも美味しそうで、パンにバターつぶあんこをのせたのが美味しそう、ハンバーグ、ビーフシチューも美味そうだ。全体的にあまり凝るより定番の方が評価の結…

思い出を一緒に煮込む雑煮かな

あけましておめでとうございます なんて明快な挨拶だろう。 何がめでたい、とツッツこまれても、ま、年が改まったわけですから細かいこと言わずに おめでとー、と言えます。 今朝目が覚めて、新年だと思い、あと900年経っても2000年代なのだと思った。 2921…

水漏れであわてふためく小晦

洗濯機買い替えなくちゃ、とここ数年思っていたが、此の期に及んで蛇口から水漏れが。 洗濯機は他の家電と比べても無いと困ると思う。パンツならともかくシーツとかパジャマとか最早手で洗うのは無理だ。年末なのに。 私が最初に洗濯機を見たのは小学校の1年…

数え日や黒豆きんとん鶏餅蕎麦

これから5日間で年越し蕎麦、御節、雑煮を食べなければならぬ。 年末の強迫観念。 今年は御節を頼まなかったのでツライ。 好きなもの買い揃えて重箱に詰めれば良いと思い、一度やって懲りた。 重箱にはぎっちり詰めないとさまにならない。 料理が動いてはダ…

年の瀬に買ってよかったモノふたつ

加齢により耳が遠くなるのは避けられないようだが、そんな知ったこっちゃないと思っていた。しかし加齢から逃れることは出来ないのだった。 テレビの音が聴きづらくなって、骨伝導、肩掛けイアフォーンなど試したけどイマイチ。 そこでMIRAIというスピーカー…

犬連れて散歩永遠の小春日

いつもの通勤路の坂道を下って大通りに出ると、お座りしている犬が目に飛び込んできた。 若い女性がその犬の落とし物を始末している。その雑種ぶりがすごい。中型犬で顔は柴犬を長くしたくらいの白黒ムラムラ柄で、体は茶黒白のまだら、しっぽの毛は長くてく…

吾亦紅猫の柩に投げ入れる  

小伝馬町の猫のシェルターで子猫をもらい、帰宅して籠を開けたら、そそくさとソファの下に潜り込みまる1日出てこなかった。翌日の夜テレビを見ていると、すつと現れて手を伸ばし私の顔を舐め回した。「ここんちの子になるんだね。」というあいさつだった。あ…

虫カゴで檻をつくりて閉じこもる

日々是好日にゃん。 コロナの日々。 もう4ヶ月以上になるのだわ。 1月には銀座のマツキヨに中国人観光客が押し寄せてマスクを大量買していた。 笑っていたら、全然買えなくなった。オフィスには311の時の買い置きがまだあったのでそれで凌いだ。4月、あ…

ぐずぐずとしているうちに梅雨入かな

片付けしてたら出て来た色紙。病を乗り越えて都々逸。カッコイイ。 高度な技術を持った小さな縫製工場がコロナで危機となった。 そこで医療用のオーバーオールを作る事にして何万枚とできるようになって 早速医療関係者が依頼に来ている、というのをテレビで…

ゴールデンウイークコロナとともに過ぎにけり

休みのような休みでないような、モラトリアムな毎日であった。 いつも以上にスーパーに買い物に行った。 百均は大混雑であった。変な自粛だな~。 今週からは、時短で元の日常に戻る予定である。 今後の消費パターンはどうなるのだろうか。 銀座は消費をリー…

手紙

すばる様 一期一会とか方丈記とかお遍路さんとか芭蕉さん、は私のマレビトボックスに入っている言葉です。 それが折口信夫の言葉とも知らなかったのですが、心に深く刺さっています。 人は誰でもマレビトに会い、誰かにとってのマレビトであるのではないでし…

涅槃西風病といえど先伸ばし

ペスト読了。つまんなかった。カミュの世界に入れなかった。 途中でペストとコロナを読み替えてみたんだけど。 結局どんな災害でも当事者にならないと身にしみないと思った。 コロナが流行っている世界だけど自分も家族知り合いもかかっていない。 コロナに…

春雨やコロナを流してくれたまえ

新潮社の全集、奥付は1964年。15歳の時に読んだことになる。 異邦人は数回読んだ覚えがある。「きょう、ママンが死んだ。」この出だしのインパクトが大きかった。「今日、母が亡くなった。」だったら違う世界だと思う。 で、「ペスト」読みはじめたが、なか…

新緑もさびしき銀座四丁目

ショートケーキ苺を高く銀座春 山口青邨 銀座の晴れがましさをショートケーキに託した句。 三越の地下に美味しい店があったけど撤退してがっかりしたものだった。 その地下食料品街もクローズしている今。 外出自粛要請ではなくて、はっきり「家から出るな」…

梅柄の手拭い折って作るもの

マスクを作らなくてはならない時代が来るとは思わなんだ。 切ったり縫ったりは得意じゃないので、手ぬぐいを折っただけ。30年くらい前から裁縫箱に入れておいたゴム紐がここにきて役立つなんて。断捨離しなくて良かったわ。

生きているリスクは常に涅槃西風

今のところ私の知り合いに、コロナの人はいない。知り合いの知り合いにも居ない。だからこの非常事態がよくわからない。コロナが流行りはじめたころ、正しく怖がれといわれたが、データがなくては判断できない。感染者数の把握を急いでほしい。 私は感染して…

神様は何処にでもいる春の雨

今日からギャラリー一枚の繪は、鎮西直秀先生+土井ふみ子先生の展覧会です。 今回の鎮西先生の新作はアメリカユタ州のモニュメントバレー。 インディアンの聖地。素晴らしい「気」を感じてください。 そのほかの作品も全て世界各地の聖地がテーマです。 作…

子猫ぶる美豚 「大家さんと僕」って「星の王子様」に似ていると思う。 50歳の年の差は埋めることができない。王子様と飛行機乗りの立場くらいにはなれていると思う。その溝にロマンが生まれる。物語は人と人の差異にあるのだ。 立場が違いすぎると理解する必…

立春や三まわり年の違う人

寒っ! バタバタバタバタしていたら立春も過ぎてしまった。 先週出張の帰り「大家さんと僕」という漫画を読みながら帰って来た。大変面白かった。 私は31歳の時に画廊を開き、最初のお客様がSさんという67歳の方だった。 それから22年間、年の開きなど感じな…