立春や三まわり年の違う人

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寒っ!

バタバタバタバタしていたら立春も過ぎてしまった。 

 先週出張の帰り「大家さんと僕」という漫画を読みながら帰って来た。大変面白かった。

私は31歳の時に画廊を開き、最初のお客様がSさんという67歳の方だった。

それから22年間、年の開きなど感じない楽しいお付き合いで、絵が大好きで、たくさんお買い上げいただいた。そのSさんと「大家さん」がよく似ている。

「和食は家で食べているものの延長線だから外食は洋食がいいの。」とおっしゃって

おしゃれなフレンチとかよく食べに行った。ご自宅に伺うとうなぎを取ってくださる。贅沢で伊勢丹でお買い物するところもそっくりなのだ。当時は断捨離などという考え方が皆無の時代だったから、Sさんの買い方はダイナミックだった。初めてお目にかかった時は小さな古いがま口型のハンドバッグをいつも下げていらしたが、ある時から断然バッグマニアに変身して、バーキン、ケリー、グッチ、なんでもござれで、ある時バッグが93個もあるのよ。どうしましょう。」とおっしゃっていた。

私はその時のSさんの年を越えた。今でもよく思い出す。

「年寄りになるのは初めてだから、どうしていいのかよくわかんないんですよ。」そうSさんは言っていた。

そのお気持ち、今の私はよくわかります。またお目にかかりましょうね。