美術館百物語の絵から覚め


「横井弘三の世界展」を練馬区立美術館に見に行った。
柳宗悦と同じ年に生まれた画家で、美術教育は受けていないが、第二回二科展に初入賞し、翌年最高賞の二科賞まで受賞する。その二科も10年足らずで離脱し、76歳で亡くなるまで、望んで素人画家として存在した人のようである。当時は日本のアンリルソーと言われたそうだ。

 写真の絵は一枚の繪5月号に掲載された野地耕一郎先生の「こんな画家がいた」という連載から。

 フリーダカーロとか、ピロスマニのような絵だと思って見に行ったのだが、初期の絵は好きだが、だんだんおどろおどろしくなり、画面に「讃」というのか、字がいっぱい書かれるようになり、その絵を描くことへの執念が怖かった。

 私は、アンリルソーをはじめとして、ずっと下手な絵好き人間なのだが、最近自信がなくなってきた。上手ければいいわけではないが、下手で押し通す怖さも侮れない。絵はその人そのものだからな〜、とため息をついて帰ってきました。


美術館の庭の島田耕一呂先生の彫刻。
とても可愛くて3歳くらいの男の子が抱きしめていたの。写真撮ろうと思ったら逃げられちゃった。