水の地球少しはなれて春の月  正木ゆう子

 昨日、ISISに拘束されている後藤さんのお母さんのインタビューをリアルタイムで聞いていて、なんだかモヤっとふしぎな気持ちになっていた。でも一晩寝て起きて、あの会見はすごいと思うに至った。だって、あのお母さんは息子より青い地球を心配しているのだ。この原理主義にはISISだって反対できないと思う。ある意味シュールな主張に同世代であろう私はわかるような気がするのだ。北朝鮮拉致被害者の親族の主張と比べるとよく分かる。彼女はある意味アナキストなのだ。政府なんて信用していない。青い地球を信じるのだ。人間ひとりひとりが宇宙なのだとしみじみ思う。

 インタビューを見ながら思い出した揚句。最初読んだ時なんて素敵な句なのだろうと思った。今回のことですぐに思い出したのだけど、春の月少しはなれて水の星 と覚えていた。記憶って信用できないものだと思うが、青い地球は大事です。