帯の話3

一目惚れの帯と着物を買っても、それだけで着物は着られない。今思うとさっさと着付け教室に行っちゃえば早かっただろう。一人で悪戦苦闘したので最初の頃はひどい着方をしていたとおもう。で、そのブームもなんとなく去り、本格的にハマったのが4、5年前。この時は心底ネットってすごいと思った。着物について山ほど情報を得られたし貴重な友人も出来た。それでも実際に着る時緊張しなくなるには時間が必要だった。まず長襦袢の着付け。これが上手く行かないとまずその後で取り返すことは出来ない。最適な襟の抜き加減ってなかなかわからない。衣紋引きは必須だと思うが、これに頼リ過ぎると後で着崩れる。ま、そこをなんとかクリアして着物。これの難関はおはしょりではなかろうか?ネット情報で『おはしょりがゴロゴロしないように下前のおはしょりを上の方に折り込む。」というのがあって、トライし続けたがもう止めた。だってきちんと重ねてしゃんと下に引っ張った方が収まりがいいし、いつでも整えられるから。そしていよいよ帯である。これについてはネットでもハードでも説明が細かすぎてなんだか訳が分からないと思うがどうだろう?たかだか紐を巻いて結んで余った部分を折り込んでしまうだけの話なのだ。なんてエラそうだが私は帯は前で結んで後ろに回している。帯は結ぶ。本では折上げるのが主流のようだが、結ぶと帯自体が立体的に自立するので軽くなる。そして回せるくらいに締めていれば、全然疲れない。お腹周りがほかほかして良い気持ちだ。「幸田文さんが、帯は上から下に手が入るくらいゆったり結ぶ。って書いてますよね。」って句友の飛行船が教えてくれたけどそうなのだ。前結び派になったのは半幅帯を前で結んでからだが、前で鏡見ながらならずっと簡単だ。ま、「帯が上手く結べない時は帯を替えるんです。」って初期に着物屋さんに聞いた言葉も今は理解出来る。手に馴染む帯、ダメな帯、それぞれ性格と相性があるのだった。

柚木沙弥郎さんの型染め絵。のんびり川遊びをしたくなる。


それが半幅帯になってるのを見つけた時はうれしかったわ〜。