村田喜代子「気になる絵」

 
村田喜代子さんの小説が好きで、前吉鎚埆個垢了?法峽邊?賈腓励蕁廚悗亮紘?魄様蠅靴討發蕕辰討い拭
その待望の連載「気になる絵」が9月号から始まった。
初回は「子供の絵のパラダイス」。筆者が通院した病院にかけられている絵の話。
テーマは子供の描く絵と、大人が描く絵との隔たりということであろうか。 筆者のお姑さんが88才の時にはじめて描いた「こどものような」絵を「ジョーシキの右手がとぼとぼ描いた」と切り捨てているのにはドキッとした。所詮「この世のジョーシキが染みついた手」の描いたモノ、真っ白に開けた世界に向かっていく子供の絵とは、全く違うというのだ。
 これを読んで真っ先にピカソを思った。10代で既に完成された絵を描いていたピカソは長い人生の間、何度も何度も絵を変えていく。奥さんも替えていく。
「ジョーシキの右手」を持つことは芸術にとっては危険なことなのだ。
 村田さんの、なんていうか「身も蓋もない」ような書き方にはいつも驚かされる。一読者としては、怖いモノ見たさも多分にある。期待に応えていただいた切り口で満足しています。