高額なモノは銀座で園遊会

ランチを頼んで本を読もうと眼鏡を出したら右のレンズがぽろっと取れた。買ったお店は近くなので直してもらいに行く。直している間、店員さんとお喋り。「これ素敵だけど値段もいいわね。」「鼈甲なんですよ。」35万円くらいである。色は黒で弦と鼻渡しの部分だけが鼈甲である。彼曰く、いつかは鼈甲というお客様がいらっしゃる。特に男性は時計と眼鏡くらいしか認知されているアクセサリーが無い。着ているものの総額が百万円くらいなのに眼鏡だけ数万というのもなんである。特に高額のものは「園遊会のときなんかにお求めになりますね。」ということで大変腑に落ちました。この老舗眼鏡屋さんは銀座に長い。良いお得意様が多い。そこに行って「今度園遊会に招かれちゃってね〜。女房のキモノとか物入りだよ。ははは、この眼鏡もらおうかな。」なんて情景がぱっと浮かんだ。うちの父も新聞社の時にその園遊会に招かれたことがあって、いつも天皇制反対だ、と言ってたのにいそいそと出かけたので、若い私はとっても不信感を持ったわね。その時母が締めていた帯がある。なんとも説明しがたい柄で龍村とタトウに書いてあったと思う。高かったんだろうな。今度出して見ようと思った。