弾力を失ったゴムまり
「現代の人達は忙しすぎるから考えることをしないのだ。昔は自分で物を工夫する必要があったけれど、今日では機械が人に代わって働いてくれて、人は考えないでも済むようになっている。むしろ考えない機械となってその役割を果たすことが要求されているわけであります。自分はこう考えるということがないような人間は、社会全体の考え方が良いのか悪いのか判断できない「弾力を失ったゴムまりのよう」になってきたと、博士は現代人に警鐘を鳴らしている。」
この博士はシュバイツァー博士。これは半世紀よりもっと前の言葉だ。この弾力を失ったゴムまり化は、どんどん加速している。だって半世紀前にはコンピューターもネットも無かったんだもの。知らないことをすぐに「検索」するなんて夢のようなことだったし、電話も普及していないからすべて手紙だったのだ。その時代ですらこの発言。我々は何処に行くのか。ホントーに。
引っ越しで本棚の整理をしてなんとなくめくったページにあった。シュバイツァー博士なんて忘れていたけれどガボン共和国に病院を造り人も動物も同じように治療した。病院は動物園のようだったそうだ。全ての命を大切にし虫も殺さないのに、肉食を抗議されて「無意味に生き物を殺すまいと努力している。」と答えている。今我々はただの丸い玉になって、自分は弾まずに無意味に物事を求めすぎているんだわ。
引用は「吾輩ののご主人」原口緑郎。
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