月冴えて年越す夜の川の音


紅白見てゆく年くる年を見て、空を見上げたら素晴らしいお月様だった。俳句にしなくっちゃ、と思い川辺にいることにした。俳句は嘘はダメだがフィクションはオッケーと何かで読んだ気がする。
 思えばいろいろな川があったなーと思い返す。
小さな時住まいの裏が川だった。母に川にゴミを捨てていると言ってはいけないと口止めされ、いけないことなんだと思った。あれはどこだったのか。その後日本橋の浜町に引っ越し、死んだ飼猫を箱に入れて父と隅田川に流しに行った。はっきりとは覚えていないが新大橋の袂だったと思う。それから川辺に住んだことはないが、随分いろいろな川を旅した。観光地に行くと必ずと言っていいほど船に乗るのは私だけじゃないはずだ。それほど川には魅力がある。
川がなかったら今のような人間の営みはできない。川がその土地の景観や発展を作っている。
人間だって身のうちに赤い川が流れていて、流れなくなったら終わりなのだった。