地震噴火なれど緑は滴って

はや6月。気象的政治的に問題がみっちりとある半年であった。これが加速するのだろうか。そうであっても日常は淡々と過ぎていく。
 30年ばかり前に「欲望の曖昧な対象」という映画を見た。面白い映画だったが見た時はその真意がはっきりと理解できていなかった。主人公たちは滑稽な恋愛沙汰を真剣に行っているのだが、そのすぐ横で日常的にテロや事故が起きている。まさに現在のように。芸術家は予知能力があるということがよく分かる。

欲望のあいまいな対象(1977) [DVD]

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allchinemaの解説より。
(遺作においてまで性愛へのエネルギーが充満する、ブニュエル自身とまるで等身大であるかのような愛と幻惑の寓話。「昼顔」「哀しみのトリスターナ」など、彼のこの種の“瘋癲老人日記”もの(谷崎潤一郎ブニュエルの世界の共通項の多さよ!)には欠かせない主演のF・レイにもやはりブニュエルなる人は存分に投影されているのだろう。そのレイ扮するブルジョワの老紳士ワチューは、若く美しい小間使いコンチータに夢中になり、彼をものの見事にあしらう娘が、小悪魔的な娼婦にも、汚れなき乙女にも見えて……。原作のP・ルイスの小説『女とあやつり人形』はこれで五度目の映画化。)



ちっちゃな手が自慢にゃ。