春近い頃に必ず雪は降る

 
 寒い。一番暖かいパンツで出てきたが、セーターの編み目からヒヤヒヤと冷気を感じる。雪だと目が楽しいけど、今は小雨で、ただ冷えていて寒い。


 昨年シャネルの店の向かい側に、手頃な値段の洋服屋が出来た。その店は同じみゆき通りの銀座寄りに、もう一軒同じような店を出している。家賃の高い一階路面だからよほど売れるのだろう。センスを云々するような洋服ではないのだが、店の外にまでラックを出して、いつも中高年のおばさんが群がっている。銀座で買った服、ということで大事に着るのだろうか。その服を通りすがりに見ながら、着てはいけない色とデザインってあるもんだな、と感じる。ウグイス色とか臙脂色、辛子色あたりは、よほど気をつけないと野暮ったい。デザインが過多なものも垢抜けない印象に陥りがちだ。しかしですね、今朝地下鉄乗ってきた、多分フランス人のおばさんは、髪を赤紫に染めて臙脂に辛子色のストライプのパンツ、紫の大きなスカーフ手首にはジャラジャラと同系色の腕輪、紫の大きな鞄で、見事にお洒落だった。こーいう年季の入った装いも真似したら危険ですが、とても見ごたえがあって楽しかった。


ぼくも何か着たい、、。