イタリアの騎手美しく天皇賞


おとといの午後テレビで天皇賞を見ていた。珍しく、というか天皇賞設置以来二度目の天皇皇后両陛下の天覧試合だそうである。しかし亡くなった父が、「馬券買っていない競馬はつまらないなー。」と言ってたがホントだ。知識はカレンブラックヒルという馬が本命らしいということだけで、それは名前が印象的だったからだ。昔「エアポート○○」ってハリウッド映画があった。巡航中のジャンボ旅客機にセスナが衝突し、操縦席の窓が破れて操縦士も重傷を負う。操縦室にカレンブラック扮するスチュワーデスが入って息をのむ。イヤフォーンを付けて管制室の指示通り操縦桿を持つが着陸は無理(ですよね)。そこで恋人であるパイロット(チャールトン ヘストン)が救助の飛行機から命綱を付けて破れた窓から乗り込むのであった。カレンブラックは寄り目の不思議な顔立ちの女優で、美人でないが故に忘れられない。その名前をつけた馬主ってどーいう人なのかしらと思った訳。それで勝負は4コーナーまでぶっちぎりで逃げていた馬を、最内枠から指し切ったエイシンフラッシュが勝った。ぼーっと見ていたら、その騎手が両陛下の前で鮮やかに下馬し膝をついてお辞儀をした。意表をつかれて観客は沸いた、両陛下も嬉しそうだった。私もこーいうものが見られるなら視聴料も惜しくないと思った。青いターフに赤と黒の勝負服が映え眼福であった。日本人騎手だったら、しなかった(検量室に戻るまで下馬は御法度だそうだ)と思われるので、外人が勝って良かったわ。何事でも所作が美しいというのは素晴らしい。騎手らしく(王子様みたいだったけど)君主らしく、男らしく、政治家(ここに並列するのがためらわれる)らしくやってもらいたいっ。