静かな黄昏の国

静かな黄昏の国 (角川文庫)

静かな黄昏の国 (角川文庫)

 
近未来の日本はアジアの最貧国となり世界の核廃棄物を受け入れ、それによって得た外貨でほそぼそと生きている。核発電技術はトップクラスなので電気だけは十分にある。酸性雨で草木は枯れ果て街路樹はすべてプラスチックの代替品となり、食べるものはビスケットのような加工品だけとなっている。葉月夫妻は晩年を迎え、終の住処を選んで長年住み慣れた都営住宅を出て行く。業者がシェードを下ろした車で、夫婦を連れて行き着いたところは、死滅したはずの美しい森の中だった、、、、。

2002年に発表された小説が急遽再販になったようだ。桐野夏生が自分が書いたものが未来を引っ張って来る事が怖い、と言っていたが、この小説みたいになったらどうするんだよ〜、と思いました。というか、既にそうなっているような。