帯の話6

造り帯を勧められないもう一つ大きな理由がある。収納である。和服のスゴさはそれを畳むとみんなペッタンコのただの布状になってしまうことだ。脱ぎ捨てたとき軽く一山という感じになった帯、着物、襦袢紐類を一つ一つ畳んで巻き取ってきれいさっぱり片付ける。造り帯ではこの醍醐味は味わえない。何百年もかかって今の形になったということには理由があるのだと思う。真に革新的な着方を開発するのでない限りそれを踏襲した方がいいのよ。ちなみに私は畳紙を使わない。畳んでそのまま仕舞う。帯締め帯揚げなど小物類もずらっと一つの引き出しに並べてある。箪笥を開ければ一目瞭然だから前日に小物を選んでおくということもしない。(ま、これは無精なだけでおすすめいたしませぬ)。これは着物を着ようと思ったとき最初の頃に始めたことだが大正解だったと思っている。