パリは美しいか。

 Oui,ほんとうに奇跡のように美しい街だと思います。街は美しく生き続け、生きている者は入れ替わっていくわけ。この美しい光景と対峙して生きて行くのはしんどいだろうなー。でもそのお陰で世界のブランドとなれるプロダクツが生まれるのでしょう。今回もパリは相変わらず美しかったけど、観光客ばかりが眼に付いて、パリの生活者の息吹がだんだん希薄になっている感じです。具体的にいうと、振り返りたいようなお洒落な人がいない。売っている商品に魅力が無い。パリでならでは、というものが無い。なんでも東京にあって、しかも安い。聞いてはいたけれどユーロ高はスゴイ。前に来た時より物価は倍近く感じる。7年間のうちに日本の国力がこんなに下がったのであろうか?でも買物の誘惑が無いのでゆっくりできました。改装の終わったオランジェリーがステキでした。20台の時母と来て、モネの睡蓮の絵の前で母は泣いたんだけど、その感受性は私には遺伝しませんでした。 
 成田から帰る途中皇居の前を通りました。その石垣を見て、パリの石の建築物の堅牢さと比べてみずにはいられなかったわね。日本のある意味いい加減さの中に育った者としては、隙間だらけの石垣の居心地の良さを愛おしく思いました。