下流志向

 機内で読もうと羽田の本屋で購入。
とっても面白かった。へ〜っ、と思う指摘が沢山ありました。
 著者は私と同年代。我々の子供時代は「お手伝い」をするということで労働者として立ち上がったが、今はとくに手伝うべきことも無く、子供はいきなり「消費者」として立ち上がる。
消費の根本は「等価交換」であるから、小学生が「勉強するとなんの得があるのか」と先生に問うような事態が持ち上がる。そしてトクが無いと判断すると学習することを無視する行動を取る。トクにもならないことに耐えているんだと。勉強しない結果どうなろうと将来の責任は自分が取る。と。
 リスクを取って失敗したら自己責任と言う風潮に日本全体が向いているのは問題。そもそもリスクを取れといいながら、リスクヘッジの方法は誰も教えない。基本的にリスクヘッジは一人では出来ない。AかBのどっちの道が成功するか判らないという場合、きみはAを取れ、私はBに行く。どちらかうまく行った方がその後を支えよう、というのがヘッジである。という指摘など「なるほど」と思いました。解決方法は書かれていないが、現在の問題点を整理するのに役立つ本。

下流志向──学ばない子どもたち、働かない若者たち

下流志向──学ばない子どもたち、働かない若者たち