アートとは百鬼夜行のその向こう


上野の森美術館石川九楊の書の展覧会を見る。
本は数冊読んでいるが、実物作品は初めて見る。
墨象から、心電図のような細い線の作品までいろいろある。
見上げるような大作に、たくさん字が重なって書かれたものは全共闘時代のバリケードを彷彿とさせて懐かしく感じた。

そこから西洋美術館のアルチンボルド展に。
図版ではおなじみだが、本物クラ〜イ。悪夢のような絵。
ハプスブルグ家の、知と美の帝国の一端のようである。
16世紀の作品だが、浮世絵の、だまし絵が出てくるのは19世紀だから、すごく先行している。
こんな絵を描いていると、何を見てもこのパーツは顔のどこに使えるかな、と思うだろう。

二つの展覧会を見て、憑き物に突き動かされて、描き続ける宿命、ということを思った。