ささやかなほど魔法は美しい


母の遺産―新聞小説

母の遺産―新聞小説

私小説―from left to right (ちくま文庫)

私小説―from left to right (ちくま文庫)

どっちも面白かった。同時代の作家なので、説明されなくてもよくわかる。
私小説」は横組で全体の六分の一ほどの文章が英会話。読み出した時は英語の部分で切り替えがきかずつんのめるような感じだったがじきに慣れた。異国に住む孤独と解説すれば簡単だが、生きている孤独という普遍性のある物語だ。「新聞小説」では主人公が、「小公女」の中でみすぼらしいセーラの部屋が夜、魔法のように美しくなる、そこの場面が好きで何度も読み返した、というところがある。私もそうだったのでとても親近感を覚えた。この小説もその場面を下敷きにして出来た物語かもしれない、と思ったことだった。



ささやかや立ってA5寝てA4