真珠落ちて月夜となりぬ蟻地獄

句会のお題が真珠でした。



  晩夏光トレドの真珠読み返す


句友、飛行船の句。「トレドの真珠」という小説があるというので読む。作者はメリメ。


エトルリヤの壷―他五編 (岩波文庫 赤 534-1)

エトルリヤの壷―他五編 (岩波文庫 赤 534-1)


文庫本で3ページ。トレドの真珠と呼ばれる美女に横恋慕した回教徒で黒人の騎士が、彼女の愛人である騎士に果たし状を突きつける。決闘の結果黒人の騎士は槍に貫かれるが、甘言でトレドの真珠を呼びその美しい顔を傷つけて死ぬ。


デジャブ!


このトレドの真珠のその後が、河野多恵子の「後日の話し」とだぶる。http://d.hatena.ne.jp/gonbey/20110531
自然に両方の話しを読むことになった偶然が嬉しい。短編と長編の違いもよくわかる。
しかし黒人回教徒とかベニスの商人ユダヤ人とか差別だと思うと共に、昔から異人種と深く交わっていたヨーロッパ文化も一筋縄ではいかないと思う。思うだけだけど。


後日の話 (文春文庫)

後日の話 (文春文庫)