毒のある読書案内台風来る

文士の魂・文士の生魑魅 (新潮文庫)

文士の魂・文士の生魑魅 (新潮文庫)

とっても面白い読書案内。本屋で手に取ってパラパラめくったら、司馬遼太郎のことを書いたくだりで、
 司馬の目線は指導者のそれであって、立身出世を願う人が読む本だ。それは彼が陸軍戦車隊隊長として終戦を迎えたことと無関係ではない。「坂の上の雲」の登場人物は何百人といるのに、虫けらのように死んで行く兵卒の話しはわずか4人でしかない。あとは全て将校以上、つまりエリートだ。
と、山本周五郎松本清張と比べて書かれている。そんな意見は聞いたことがないので買いました。私には司馬の本がストンと落ちない理由がそれなのかしら?「街道を行く」シリーズでも、話しを一旦置いて、説明に入るところがイヤなんだけど、目線、ということを考えると車谷が書いているとおりかもしれない。


世界一周恐怖航海記 (文春文庫)

世界一周恐怖航海記 (文春文庫)

車谷の本はこれしか読んでいないんだけど、気になる作家だ。