盆休み読書週間一気読み

村田喜代子さんの本にはいくつかの方向性があると思うが、この夏読んだ、というか頂戴した下記の2冊はたいへん面白かった。

蟹女

蟹女

表題の「蟹女」。医者に向かって、入院患者の女が自分の身の上を延々と話す。医者はつまらなそうに聞いているが、読者共々その話に蜘蛛の巣に絡めとられたようになっちゃう。紫式部賞。

ルームメイト

ルームメイト

三話収録。最後の「木渡り 木の宿」。夜這の話。それがどーいうふうに習慣化されていたか。そのために女の子たちは「おなご講」という旅に出る。フィクションとも実際あったともわからぬが、その臨場感はスゴイのよ。なんだかゾクゾクした。この女の子たちが年を経て姥捨ての「蕨野行」に続くのだ。
村田村昔話。


やんごとなき読者

やんごとなき読者

これは先生お勧め本。現エリザベス女王をモデルにしたフィクション。たまたま本を手にした女王は読書の虜になっちゃう。楽しめます。こんな本が出せるなんてイギリスってしたたかだわ。