「院長の恋」

 

院長の恋

院長の恋

佐藤愛子の短編集。最後の話が面白かった。人格者で仲のいい夫婦として認められている校長先生が妻に先立たれる。本当の自分は細かくて、そんなに尊敬されるような人間ではないと客観的に把握して、人生を恙なく過ごしてきた。妻のことも疎ましく思っていたがヒトには知られぬようにしてきた。その先生の所に献身的なおせっかい女性が通ってくる。あー、人生って、思うようにはならない。
 声を出して笑ってしまった。佐藤愛子の本はまだ本格的に読んだことがない。「血脈」って読むべきかしら?読んだヒト教えてほしい。