麻生総理大臣の国連での演説。

カッコイイので驚いた。さすが吉田健一の甥。文学的言い回しは叔父さんを彷彿とさせます。

「議長、
この度ニューヨークを訪れて、私はバンカー(銀行家)について昔聞いた話を思い出しました。バンカーには、いつも2種類しかいないそうです。少ししか記憶できないバンカーと、まったく何も記憶できないバンカーと――。

金融に、マニアとパニックが相伴うこと、形あるものに、影の従う如くであります。一定の間隔を置いて、マニアは必ず胚胎し、パニックを招来します。

今から10年前のちょうど9月、世界は一度、流動性を突如失う悪夢を見たはずでした。この四半世紀余り、東京はもとより多くの国、市場を舞台としながら、マニアとパニックは数年おきに、あたかも終わりのないロンドを奏でてきたかに見えます。

この度の熱狂において、東京は比較的素面(しらふ)でありました。が、これとても、1980年代から90年代にかけしたたかあおった酒の宿酔(ふつかよい・a hangover)が過剰債務(a debt overhang)となり、これに苦しむこと、あまりの長きにわたったゆえだったに過ぎぬと言っていいでありましょう。

まこと、ロンドに終わりはなく、人類は、遠からず同じ旋律を聞くに違いあるまいと思います。そのたび1インチであれ前進し、賢明になろうとするほか、対処の方法はありません。

国際金融の仕組み(アーキテクチャー)を巡る侃々諤々(かんかんがくがく)が、いま一度始まるものと思います。日本として、持てる経験と、知識の貢献に心がけたいものであります。」

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