コクーン歌舞伎は面白いっ!

勘三郎串田和美演出の「夏祭浪速鑑」
も〜、話の筋はどーでもいいようなもので、大詰めの捕り物の醍醐味でカタルシス堪能。
 大詰めの幕が開くと、舞台いっぱいに「東武スモールワールド」みたいな、小さな大阪の商家やお寺や倉庫が散らばっている。客席の一番後ろから勘三郎が捕り手に追われて逃げてくる。舞台直前で切り結び、見えを切ると、「オー」というかけ声とともに、スモールハウスの後ろに潜んでいた15人ばかりの捕り手が一斉に立ち上がる。
この芝居は、もとは人形浄瑠璃だったことに触発されたのか、役者が引っ込んでいる合間にお寺の屋根で人形が切り結んだりする。人間のそれはそれは派手な立ち回りが続く。そしてオーラス、舞台の後ろにソーホーを思わせるような壁が現れ、パトカーのサイレンが鳴り、壁が壊れて、渋谷松濤の街が現れる。追われる2人は街に走り出す。道路には、既にこの結末を知っている人が沢山拍手している。その後ろを都バスが通り過ぎる。タイムスリップした彼らはスローモーションのような走りで舞台に戻り、パトカーが走り込んで急停車して幕となる。外の街が現れた時点で客席は総立ちで声援。伴奏する大太鼓、笛、鉦の音も血を沸き立たせる。あー面白かった。