「読む」谷川俊太郎の33の質問

谷川俊太郎の33の質問 (ちくま文庫)
 谷川俊太郎が7人に33の質問をする。武満徹粟津潔吉増剛造岸田今日子、林光、大岡信和田誠。初出は1975年だから古い本だけど面白い。自分が聞かれたらなんて答えようと思いながら読む。

「いま一番、自分に問うてみたい質問はなんですか。」に、ただ一人女性回答者の岸田今日子
岸田 わかんない。
谷川 あんまり自分に問わないね。
岸田 問わない。
谷川 問わないね。
岸田 問わない。
谷川 もう自信満々という感じだね。(笑) 
岸田 あきらめてるの。

これは、とっても女性的というか女性ならしっくりくる答え方じゃありません?男性はばっちり受け取ってのたうち回る感じで回答してるのにだ。男と女ってそうとうに違うんだわ。たとえば「絵」だが、女性の細密描写って少ない。細密な絵を描く人ほど実は男性的なのではないかと密かに思っている。コレクターも男性が圧倒的に多い。ひとつのことを掘り下げる男、いろんなことをパラレルに考える女、って感じがしております。