先週末に読んだ本。

秘事・半所有者 (新潮文庫)

秘事・半所有者 (新潮文庫)

面白いかといわれても困る。読み終わっても頭の中でその話がグルグル居場所を求めてさまよっている。こんなふうに読み手に放り投げられたような本が好きだ。
 子供の時は岩波、講談社の少年少女文学全集やアンデルセングリム童話を何度も読んで大好きだった。もう少し高学年になると「アルセーヌルパン」と「モンテクリスト伯」と「宮本武蔵」と「あしながおじさん」のパート2がが大好きだった。
 その後は三島由紀夫の時代。全部読んだと思う。忘れもしない、大学4年の時、特許庁で資料整理のアルバイトをしていて三島が自衛隊に乱入して自決したと聞いた時の驚きを。
同じ頃「話の特集」という雑誌が出て、定期購読していたので深沢七郎寺山修司とかアングラ系もいろいろ読んだ。受験もあったのでヘミングウェーもずいぶん読んだ。英文科に入ったのでアイリス・マードック、ローレンス・ダレルなんかが研究対象(!)だったけど、シェークスピアの面白さはわからぬまま学校紛争で大学がロックアウトになったりであまり勉強せず卒業した。そのころからマルグリット・デュラス倉橋由美子など、ストーリーがあるようなないような本が好きになった。
こうやって書くと愕然とするなー。一貫性のなさに。でも一つ確かなのは興味を持ったことは、まづ何でも本からアプローチしたこと。絵でも国でもキモノでも料理でも。そしてこれからもバラバラ読みで、このまま一生行くのだなと思います。