普段着は...

 初詣には一応お正月なので大島を着て出掛けた。
帰宅してそのまま読書体制に入った。なにもお太鼓結んだまま本読まなくてもいいだろうと帯は取った。それでしばらくして着物着て本読む合理的な理由が見つからないので、コールテンのパンツとセーターに着替えてソファに寝っ転がって続きを読んだ。

 先日若い友人が、ワードローブは着物、ビジネススーツ、ユニクロという構成になった。と言っていたが私も似たようなものだ。ここに着物が入っているのはかなり特殊なことだ。

 着物が着られなくなっていく原因は、カジュアルに適応しないということにあるのではないか?スーツでもドレスでも帰ってくればあたりまえに着替える。着替えるものは大体パンツとセーターであるが、それはあくまで洋服の線上にある。着物からパンツだっていいのだけど、なんだか面白くない。せっかく和でいこうと思ったのに無理矢理現実に戻される感じ。さりとて外出の着物から普段着の着物に着替えるという発想はない。木綿の絣の着物を着て割烹着を着る世界にはもはや戻れないのだ。

 和風カジュアルのかたちを和装業界は考えるべきだと思う。年末の新聞に中高年に振り袖キャンペーンと出ていたがバッカじゃなかろうかと思う。着物をイブニングドレス代わりになんていったって、今時誰がどこでイブニング(カクテルでもいいけど)ドレス着るのか教えてもらいたい。ソーいう発想だと、もーどんどん着物離れするだろう。

 一日中無理なく和風のもので気持ち良く過ごせる。そーいうのを提案してほしい。はだけないゆかた風のねまき。肌襦袢の上に重ね着できる和のシャツ(着れなくなった着物をリサイクルできるデザイン)。パンツはGパンでもいいとおもう。だって世界中Gパンはいてる時代だもん。そしてお出かけ着物。この要は下着、履物が共通であること。これで初めて和風で24時間戦えるのだ。