星月夜タカラジェンヌを待ち伏せる

30数年振りに宝塚観劇。若いときはあのモードに一生ついて行くことは出来ないと思っていた。今回見てみれば、押しつぶした発声の男役、金髪リーゼント、ど派手な衣装、ものすごい付け睫、濃いノーズシャドウ、みんな歌舞伎の口跡隈取りと同じ約束事なのだった。約束事を踏まえてどっぷりハマれば楽しいのであった。「アルジェの男」というカサブランカカスバの女をごっちゃにしてパリに行きました、というような筋を云々すべきではない。舞台装置が凝っていて、夜景など大変美しいし娘役の踊りも上手い。二幕目のダンスロマネスクは圧倒的である。大階段に男役が燕尾服で勢揃いで踊るのは、パリ公演でも「ギャルソンヌの群舞は素晴らしい。」と絶賛されたそうでカタルシスを感じられます。終幕大階段をシャンシャンシャンと降りて来る時スター級はみんな孔雀のように羽を背負っているのだがちっちゃいのから大オーストリッチまで、それはそれは派手で出し惜しみしないサービス振りに大変感動しました。若さの旬の80人の女性たちがパワーと美しさを出し切って演じるのだから、つまらないわけがないのです。私と同じように偏見を持っていた方、見に行った方が良いですよ。充電されますよ。