新緑に鴨川踊りの艶やかさ


鴨川踊りにご招待いただいた。京都に着いてホテルにチェックインしたら停電だった。エレベーターは動いてますというが中が真っ暗で怖い。地震関係ないですよね、と聞くと定期点検だそうだ。部屋は蒸し暑く着替えに往生した。タクシーの運ちゃんにその話しをしたら「そな夜中にしたらよろし。恥なこっちゃ。」と明快であった。木屋町通から一本裏の路地に面した先斗町の歌舞練場は小さな4階建て。中に入ると沢山提灯が吊るされていて普段着の舞子芸妓が観客席にも多く大変華やかだ。短い芝居と四季を辿った踊りで構成されている。こじんまりした艶な舞台でタイムスリップしたようだ。とても奇麗で楽しかった。踊りが楽しく見られるようになったなんて大人になったものだとしみじみ思う。街は夜でも暗かった。京都って前から暗い。今の東京より暗いと思う。ヨーロッパもそうだが文明が成熟するとケチで始末する方向に行くのだ。この震災で日本も成熟するのではなかろうかと思う。連休明けでなんとなく街もダラリとした空気だが古本屋と喫茶店がやたらと多いところである。それにこの10年程洒落た店がうんと増えたような気がする。洋服店食事処まんべんなく増えている。それだけ京都を目指す客が多くなったのだろう。どのような階層の人にも楽しみを与えられる懐の深さが京都にはある。日本に京都があって良かった。「そうだ、京都行こう」というキャッチフレーズは永遠のコピーだ。