二十一の気球

講談社の少年少女世界文学全集は大学生くらいの時に手放した。結婚したら相手が全部持っていたので今も本棚の天辺にずらりと並んでいる。昨日書いたあの話しはなんだっけと思って探したら、アメリカ文学の「二十一の気球」作者デユボワ、だった。教授は難破ではなく、サンフランシスコから(オランダじゃなかったわ)気球で世界漫遊を目指していた所クラカトア島に落ちてしまったのだった。そこにはAからTまでのイニシャルを名乗る20家族が住んでいる。島の憲法はうまいものを食べることであり、夫々の家族が20日に一度レストランとしてそのイニシャルで始まるお国料理を振る舞う。Fはフランス料理Iはイタリア、Tはトルコである。みんなその国の趣向を生かした創意工夫に溢れた家に住んでいるなど、ロマンチックな話しだ。これに随分影響を受けて今日まで来たかもしれないと思う。同じ本に「赤毛のアン」が収録されているが、まったく内容を覚えていない。配本された時一度だけ読んだ話と何度も何度も繰り返し読んだ話しがはっきり別れている。嗜好というのは面白いものだと思う。