清&直美天井桟敷の熱気かな

京都のSさんが南座で「清&直美」を見た、という情報をくれたので、即ネット検索して切符を手に入れた。かろうじて残っている、というタイミングだった。場所は王子の北とぴあという区民ホール。二階の後ろから2列目という天井席だったが、十分楽しめた。前川清は30年くらいファン、といっても一度ディナーショウに行っただけ。でも彼のCDは一番聞く頻度が高い。藤山直美さんは、一度銀座の小料理屋でお見かけして、ついついファンです、って言ったら、パッとテーブル席から立ち上がって「ありがとうございます。」って最敬礼されて心から恐縮した。今回、前半お芝居、後半は歌という伝統的「歌謡ショウ」。期待していなかった芝居が面白かった。春に「ドリームガールズ」ってブロードウエイヒットミュージカルを見たけどそれよりずっと良かったわ。
 終戦後の人気歌手を直美、そのパットしない、妻に逃げられて3人の子供を育てているマネージャーに清。清は元妻の愛人に騙されて巨額の負債を背負う。その書き付けを持っている興行師(つまりヤクザね)に、借金の形に直美と清の興行権を渡せ、と迫られる。清は実は、覆面歌手として数年前に大人気歌手だった、ということが、そこで初めて明かされる。興行はヒットし、親分は書き付けを返してくれ、二人は愛を確かめあって大円団。筋は陳腐ですが、直美の大振り袖、ヤクザの格好良さ、芸者の姿の良さ、なんか素敵でね〜。やっぱり日本人、と思う。おじさんも少なからず来ていて、清が「ボクも62になって同世代の男性に共感を覚える。今日も奥さんに連れられていやいや来ているお父さん、沢山いらっしゃるでしょう。」と呼びかけて、歌いながらおじさんだけ手招いて握手していた。直美の歌も驚くほど上手く、とにかく全部大満足。来ている人みんな満足感いっぱいという共感が素敵でした。Sさんありがとう!