脱力コクーン歌舞伎

恒例のコクーン歌舞伎。「桜姫」再び。
5年前の福助の陰影に縁取られながら華やかな「桜姫」を見ている間中懐かしんだ私。

コクーンといえば破天荒なぶっ飛び演出を期待するわけですよ。あの見終わったあとのカタルシス
あー、それはもう思い出の中のことなのか....。舞台際のお客さんは水やら泥やらが飛び散るので着ているモノがワヤにならぬようにビニールカバーを渡される。今年もそーだったのだが、水はほんのお印のように撒かれただけ。そう、相撲取りの塩の程度に。そんなんならやんなきゃいいのにっ!

やはり不景気が蔓延しているのだと思わざるをえない。芝居というのも贅沢品だから、景気がいいときは油がタップリのっている。着るモノだってバブル期のファッション誌など見返すと溜息が出るような贅沢な服が載っている。みんながユニクロ着ている、というのはやはりそういうことなのだ。

 今年の観客は目立って男性が少なかった。「私コクーン見たいわ。」「そう、友達につてがあるから一緒に行こう。」なんてのが激減したに違いない。女は無理しても好きなモノは見に行く。あ~あ。