鶉来ず好夜となりぬ酉の市

(わかるひとだけわかる)

久しぶりの「一の酉」。大勢の人、外人観光客も多数。20分ほど並んでお詣りする。神社で並んで御利益を頂戴するので、お店も並んでるところが流行るのかな〜なんて思う。最初の酉のせいか熊手がビッチリ隙間無く天井まで並んでいるのは壮観だ。赤ピンク金色が夜の中で光るのは中国的でもある。美しいというのではないけど整然としたキッチュとでもいうのかしら。その中で売り手のお婆さんがひとり、縞のキモノに黒の膝下までの法被を着ていた。大きな半月に円が乗っているような柄が背中に白抜きになっている。鯔背で江戸前キッチュを従えた留石のようだった。キッチュから好奇者好みの侘び寂びまで、「モノ」は奥が深い。